ぼく と とめさん 外伝
 
 とめさん は ぼくの 大せつな友だちだ。

 ぼく と とめさん は いつも お休みを いっしょに取る。
 おみきどっくり、ちゅっちゅっちゅっ、なんて 飯場の れんちゅうは からかったりする。
 ぼくは ぜんぜん 気にしない。
 ぼくと とめさん は 友だちだからね。

 お休みの日 いつも とめさんは 自まんのハットをかぶって ちょっと小粋に あらわれる。
 だるまのマークの 野球ぼうだ。
 ぼくたちは おしゃれな カフエーで まち合わせ。
 うまい コーヒー 一八〇円。
 とめさん の お気に入りの お店やさんなのさ。
 ホットワンに おさとうと ミルクを二つずつ。
 ゆっくり おいしく 楽しむのさ。

 カフエーでのみ終わると ぼくたちは じょう外 という ところに行く。
 日曜日の おたのしみ。
 お馬のレースを 見るんだね。
 ぼく と とめさん は じょう外の中に 入っていく。
 きれいな 大きなビルデングだ。
 いちばん すいてる 階をさがして 中けいのテレビージョンがよく見える角に 腰をおろすのさ。
 お馬の券を買う お客さんたちが どっさり ひしめいている。
 みんな しんぶんを読みながら しんけんな 顔をしているのさ。
 しんけんな 人たちを見ているのも とっても おもしろい。
 思わず 心の中で みんながんばれー、と 応えんしてしまうのさ。

 レースが 始まると みんなで む中になって テレビージョンを見る。
 お馬が すごく はやく 走っている。
 とっても とってもかっこう良い。
 となりを 見ると とめさん も 口をぽかんとあけて む中になっている。
 どの お馬が 一等になっても ぼくたちは 手をたたいて 祝ふくすることにしている。
 時どき こわいおじさんに にらまれるけれども。

 たくさん レースを見て 満ぷくすると ぼくたちは 券のまど口のところに 行く。
 いつも とめさん と どうする、買う? と 相だんするんだ。
 いつも ぼくたちは 買わずに やめてしまう。
 そのお金を ちょっきり使って おすしを 食べに行くのさ。

 じょう外の 近くにある 回るおすしのお店。
 なんと ひと皿五十円。コップのおさけを飲んでも おすしが七皿も食べられる。
 つめたい おいしいおさけを飲んで わくわくしながら 回るおすしを見つめるんだ。
 ぼくは いつも まぐろ・たまご・まぐろ・たまご・かっぱ・たまご・まぐろ。
 とめさん は きっぷうがいいから さいしょに 百円のいくら。 それから まぐろ・いか・えび・まぐろ・プリン。
 いっつも おんなし じゅんばんなんだ。

 ぼく と とめさん は 食べながら おいしいね、って うなずきあう。

 とめさん と すごす日曜日。
 とめさん と 見るお馬のレース。
 とめさん と 食べるおすし。

 これが ぼくの かけがえのないものだなあ、って いつも いつも 思うのさ。

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