お山に、のぼったよ。


今回このコラム、駄文はナシで大阪教室のご案内だけですませるつもりでした。
書きものサイトで毎日つくつく日記など書き倒しているせいか、あらためて文章が書きてぃなぁ、というモチベーションは下がりっぱだったもので。
しっかし最近、に限らずご相談者様の多くから言われるキメぜりふ、
「愚者のおことば読んでますー、すっごい笑えますー」
それ思い出しますとがぜんおかしげな使命感が。ああマヌケ文書いて笑っていただいてなんぼ、の占い師でしょあたしゃ!(どんな)
そしたらやっぱり、書きませんとね。
意図的に面白おかしくしてるつもりはありませんが、期せずして「あひゃひゃひゃひゃ」という哄笑を引き出しがちだと言われるバカチン文書を。
書きますよ。

気鋭イラストレーターのお友だちふたりに、高尾登山に誘っていただいた。
なんで登山。
そこに山があるからだ。
ベタなことゆーなー、ってか自然は大層よろしい、そしてレッツ運動。という大まかで直線的な理由により。登山を。
しかし人生にはゆとりも大切ですね、それは飲み食いとおもしろトークです、って自分的にはそっちのほうメインな感じでウキウキお誘いお受けした。

前日。
ああ思いっきし悪天候きてはるかも、雨天中止っぽいですねー、そしたら男らしくあきらめて自宅で酒盛りでもいたしましょう、って山男気分の女子三名きめてすやすやと。眠り。

って寝てない、イラストレーターさんたち思いきし寝てない、あたくしも飲んでたんで(アホか)三時間足らずしか寝てない、あやしい天候のなか連絡まつ当日午前8時。
幹事な役割引きうけてくだすったちろさん(微妙に仮名)からお電話。
「つーさん(微妙に仮名)と相談したんですけど、どうも天気、八王子周辺だけピンポイントで無事っぽいです」
うん、わたしいちおう「天気なんとかして」って言われたんで手持ちの魔法はぜんぶ使ってみましたから(そんなんあるのか)。
「でメカメさん(微妙に仮名)のサイトの無料占いで今日どうするか、って見てたんですけど」
いやーん直接きいてよう。
「じゃ今タロットひきますね」
それで決めようとするわたしもヘンだが、睡眠不足のせいってことで。
参考にしちゃうちろさんつーさんも、寝てないから判断力ががぜん低下、ってことで。
「・・二者択一法で占ったら、山に登れ! と」
「出ましたか」
「うん『審判』のカードで天使ガブリエルが、行け行け決定、と叫んでますけど」
じゃ実行しますか、男らしくがっつり決めてそして高尾にむかうわたくし。

とちゅう人身事故で電車とまって待ち合わせ遅れー。ごめんなさい。暗雲たちこめてる。

着いたらぽつぽつ、泣きそうな天気で不安がどどん。でもオレたち登っちゃうんだゼ男らしく!
「いやたぶん山頂ついたらガブリエルがこう、雲をぱー、と割って輝かしい日光を・・」
希望的観測ばっか言う占い師をおふたりはハイハイ寝言は寝てからにしろ、いやそんなこと言わない、優しくフォロー。
登りましたとも。

おふたり、とっても目がいい。
まいど絵描きさんとうろうろするたび思うことなのだけれど、いろんなことに鋭く目が向く。
よくそんなに気がつくなあ、感動するほど細部も全体もセンスでキャッチしておられる。
なので面白いです楽しいですね、絵描きさん同行イベントは。てかわたし基本的に絵描きとしかつきあってないな。
これはあれですね、美学でいう「悟性の罠」、見えるものを感覚でとらえず記号で認識するのが一般的感覚で表現者はそうでないという・・ああクドいや、
ともかく、山道の入り口ですでに植生にも生物にも五感への刺激にもばりばり反応するおふたり見てすげえ、とわたくしは思った。寝てなくてそのレヴェルかあ。

そして道なき道をゆくー、って、道はあるんですけど心細い。
「あきらかに、高尾山に向かってないっぽいね」
「それも楽しいからべつにいいんですけど」
うろうろ踏み迷う山中。工事のおじさんやハイカーさんに道たずねて。
「その軽装でだいじょうぶ?」
重装備ハイカーさんに本気しんぱいされるわたしたちは都会のモヤシっ子文化系まるだし。
それでもカタツムリやクモやカエルや風景にいちいち反応しながらも笑いのめして登るお山。たのしい。

さっすが山道、ずんずん暗くなる鬱蒼たる木立やら、いきなりぱああと晴れる光景になんだかんだ喋りのめしつつ、
「うむ、この山道は時代劇だったら悪者がでてくるところだ」
「で私らこの軽装の下はじつは戦闘モードで」
「かげろう忍法帖だ」
何がなんでもおもろいこと言うの止められない体質のわたしたち、かしましく登る登る。
とちゅうスニーカーの足ではずりずり落ちて真剣にやばっ! という難所にさしかかり、
おもわず三人お手てつないで
「ファイトー!」
「一発ー!!」
叫びながら乗り越えるなどちょっと友情っぽい? いやしっかりしろオレ、とにかく越えて。

うーん絶対にこのルートは高尾に向かってないね、言ったとおりたどり着いた山頂は、
「小仏峠」で。
もはやすかさず笑った。ははははは。男らしく。
あばら屋になった元・売店がちょっとこわい山頂で地図見て。
「あらー、とんでもなくコースまちがった」
「高尾だったらもうちょっと気楽なハイキングコースだったかもしれないね」
まあいいか、もう思いきり缶ビール、ぷしゅー、あけて。
飲んでお弁当たべてわはははは、ヘイ!
もうそれはそれで、これはこれで楽しんじゃってすがすがしい空気、たっぷり吸って、
いちおうヤッホー! って向こうの山並みに叫んでみた。
ちょっとこだま。すごく嬉しくて。

で降りる降りる、登ったら降りねばなりませんよ皆さん! って常識か、そしたら山頂でべろんべろんに呑むわけにもいかないし。
そもそも山なめてましたね、わたしたちー。
言いながら、
「帰りも工事のおじさんたちいたら恥ずかしいね」
「ああやっぱり山なめてたから・・って思われて」
「もういっそのこと、やられた感まるだしで」
「なぜかドリフみたいにぼろぼろに焦げてぼふー、って煙はきながら降りたいね」
「いやヤッターマンみたいに、三連のチャリでワルモノ三人」
「ヤラレチャッタヨ♪クヤシイナー、って歌いながら」
「次は見てろよ! とか捨てゼリフで」
「次週もまた、見てくださいねー」
「毎週、登頂!?」
「毎週まちがって別の山登って、ヤラレチャッタヨ♪クヤシイナー」
「なんだか秘密兵器とか持ってくんですけども」
「毎回まと外れで、大失敗」
「あちゃー」

とすとす勢いに乗ってアホ言いながら下山、
けっきょくわたしたち、たぶんものすごく楽しかったんでした。
「でも雨ふらなかったね」
「そりゃもう、ガブリエルがずっと雨雲おさえてますから」
「高尾山頂にわたしたち来たら、ぱあー、って晴れさそうと思ってずっと」
「待ってんだ!」
「でも小仏峠行っちゃったし」
「ガブリエルまだ高尾で待ってるよ」
「遅いなー、とか言いながら」
「うわごめん、ガブリエル!」
「今まだ待ってる、あれか? あいつらか? もう雨雲支えるの重いよ、言いながら」
「すごく必死でね」
「あはは、そりゃ申し訳ない」

ほんとにガブリエルが雨雲止めてたんだかなんだか、
下山したわたしたちが喫茶店でまだがんがんトークを繰り広げているあいだに、
高尾の周辺には、ようやく激しい雨が降りしきってきたのでした・・。

激烈に楽しかったです。
つぎは、間違えずに高尾山をめざしましょう!

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